2026年度公募プログラム

[殿町先端研究教育連携スクエア]

殿町・鶴岡・日吉・湘南藤沢:キャンパス連携による地域・世代を超えた先導者育成研究プログラム

活動代表者

システムデザイン・マネジメント研究科・教授/殿町先端研究教育連携スクエア兼担教員 神武直彦

神武直彦殿町・鶴岡・日吉・湘南藤沢の各キャンパスが連携し、世代を超えて多様な参加者が集い、システム思考とデザイン思考という考え方に基づき、新たな気づきを得て主体的に考える力を養い、創造力を掻き立て科学技術の面白さを感じ取り、ワクワクするアイディアを生み出し形にする先導者を育むことを目指します。

活動内容

「未来創造AIワークショップ」は、2026年10月に、AI初心者向けに、AIについての基礎を分かりやすく解説し、AIの仕組みやこれまでの発展、現在のトレンドについても学び、正しくAIを理解するため、AI・高度プログラミングコンソーシアム(AIC)と連携して実施する。特に、昨今の小中学生が日常生活で使用する機会の多い生成AIを取り上げ、生成AIとの向き合い方や未来社会への可能性を議論する。

「鶴岡×KEIO WIZARD未来創造サマーキャンプ」は、2026年8月に鶴岡タウンキャンパスに於いて実施する。第1日目は世界最先端のバイオテクノロジー研究が行われている鶴岡サイエンスパークを訪問する。慶應義塾大学先端生命科学研究所(IAB)では荒川和晴所長から鶴岡タウンキャンパスでの最先端研究の取組や、地域との関わりなどのお話しを伺い、分析機器や次世代シーケンサー等、AI技術を活用した最先端機器の見学を行う。そして鶴岡サイエンスパークで生まれた日本を代表するスタートアップ企業を訪問する。プロテイン素材で持続可能な社会を目指すSpiber株式会社では、同社が持つ独自の科学技術に触れ、自然への深い観察と研究を経て、IABや地域との連携で、いかに画期的な商品を開発することに成功したかを学び、最先端の実験機器や企業の研究所の雰囲気を感じ取る。腸内デザインによる新しいヘルスケアを目指す株式会社メタジェンでは、トイレに捨てている便から価値を創造し、社会に寄り添い、社会と共に未開の健康社会を切り拓く雰囲気を感じ取る。地方都市の課題解決型事業に取り組み、地方の可能性を経済へと繋ぎ、また次世代の教育事業にも力を注いでいる株式会社SHONAIでは創造力を掻き立てる児童教育施設KIDS DOME SORAIを訪問し体験型学習を行う。

第2日目には、国指定史跡藩校「致道館」を訪問し、その歴史と学びに触れる。致道館は天性重視、個性伸長と自学自習、会業(小集団討議)の重視を学風とし生徒一人ひとりの生まれつきの個性に応じてその才能を伸ばすことを基本にしながら、知識を詰め込むことではなく、自ら考え学ぶ意識を高めることを重んじている。先人のたゆまぬ努力により培われた知恵や工夫が、鶴岡の教育的風土を形づくるとともに、時代を超えて今日の鶴岡発の産業に繋がっていることを学ぶ。午後は「殿町・鶴岡・日吉・湘南藤沢:キャンパス連携未来創造AIワークショップ」を行う。アドバンスド受講生、教員やメンター、鶴岡タウンキャンパスでAI技術を活用した研究を行う地元の高校生研究員、SFC大学院生、若手教員も参加し、各々が進めている研究の発表を行うと共にAI技術の発展により実現される未来社会を想像し創造するワークショップを実施する。これらの交流を通じて、世代、分野、地域を超えてAIと人間社会の関係性に関して互いに教え合い、学び合い、自己理解、他者理解を深める。

第3日目には、地域に根差した大学として地域課題の解決に取り組み、様々な挑戦を行っている東北公益文科大学ジュニアドクター育成塾「鳥海塾」の受講生と共に「第3回ジュニアドクター育成塾KEIO WIZARD×鳥海塾交流ワークショップ」を実施する。JSTによるジュニアドクター育成塾は全国の約30の大学等機関で実施されているが、実施大学間交流はこれまでに行われておらず、2024年に鶴岡タウンキャンパスの協力により初めて実現した。「KEIO WIZARD“GLOCAL”」では、宇宙、防災、医療、環境、A Iなど多様な分野に触れながら、実現したい未来に向けて多様な仲間と共に研究活動を通して課題の解決に挑戦している。物事の繋がりを俯瞰的・多角的に捉え理解し分析するシステムズアプローチ、興味関心や専門分野の異なる多種多様な参加者が学年・世代・分野を超えて学び合うラーニング・バイ・コーチング、仲間になった参加者同士が学びを他者と伝え共有し循環する世代や分野を超えた人材が交流する場の構築により人材の育成を行っている。また「鳥海塾」では地域の人・自然・社会・歴史的財産の価値を見出し、新しい情報技術との橋渡しのできる人材の育成をプログラミングを通して行っている。全く異なる環境で学ぶ参加者同士が、地域や分野を超えて、多様な価値観に触れ、共に学び合い、教え合い、他者理解と自己理解の一層の深化を期待する。同時に、鳥海塾との交流の成果をベーシックコースの40名にも還元し、他地域・他機関における同世代の活躍に触れることで社会と世界の中における自分の役割や他者との繋がりへの理解を促進させる。

 

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