2023年度公募プログラム
[体育研究所]
国際交流を通じたSDGs教育及び一貫教育校へのスポーツ教育
活動代表者
体育研究所准教授 鳥海崇
体育研究所では「活力ある塾生を育む」を目的に活動しています。この観点から本プログラムでは各競技の早慶戦や国際的な大学対校戦を通じて様々な世代と交流してスポーツの魅力や未来について議論します。

4月に浅草の隅田川で開催された第92回早慶対抗競漕大会(早慶レガッタ)の応援に幼稚舎生と横浜初等部生を招待した.早慶レガッタは1905年に第1回大会が開催されてから100年以上の歴史を有し毎年隅田川で開催されていたが,1962年から1977年までは隅田川での開催は中止されていた.この理由は隅田川の水質汚染であり,当時の官民を挙げての水質改善により1978年からは毎年隅田川で開催される春の風物詩として復活した.これらのことからもSDGsの17の課題の中の一つである「6.安全な水とトイレを世界中に」を学ぶ格好の機会として,隅田川の水質改善を通じてSDGsを学んだ上で,早慶レガッタを応援した.途中,大雨によりスタート時間が延長されるというトラブルがあったものの,レース直前は雨が上がり(写真),結果も慶應義塾の勝利に終わり,充実したプログラムの実施となった.
5月に神宮球場で開催された東京六大学野球の最終戦である早慶戦の応援に幼稚舎生と横浜初等部生を招待した.東京六大学野球連盟ではすでにSDGsの理念に賛同し,各種取り組みを進めている.当日はその中の一部を視察することで,スポーツとSDGsについて学ぶとともに,その後の野球の早慶戦を応援した(写真).特に第2戦となった5月28日(日)の試合は15対1での勝利となり,早慶戦史上最大の14点差での勝利で記憶にも記録にも残る一戦となった.参加してくれた児童にとって,その後に長く記憶に残る試合となったことであろう.
この他にも5月にラクロス,6月にバスケットボール,11月にラグビーの早慶戦を応援に行くなど,数多くの早慶戦を応援した.いずれの早慶戦においても,本事業の趣旨に賛同していただき,応援席への案内などに配慮いただいた関係団体の皆様にこの場をお借りして深く感謝申し上げます.
2024年3月に実施された「第4回 KEIO SPORTS SDGsシンポジウム2024」において,これまでの活動を振り返り,また慶應義塾体育会の各部が取り組んでいるスポーツとSDGsの活動についてポスター発表を実施した.本活動はコロナ禍の制限もありながら3年間継続してきた一方で,大学生は毎年代替わりするため,これまで実践してきた活動を継承することの難しさをどう克服するかが今後の課題であると感じた.