2025年度公募プログラム
[自然科学研究教育センター]
生物実習教材VRinkaiJrを活用したSDGsへの取組み
活動代表者
理工学部准教授 堀田耕司
本プログラムは、知られざる生物に目を向けることで生物多様性を理解し、SDGs 14・15「海や陸の豊かさを守ろう」に貢献します。また、世代を超えた生徒が共通の目標に取り組み、SDGs 4や10にも影響を与えます。

活動内容を教育実践、開発の2つの部門にわけ、教育実践では一貫校での臨海実習を実現させる。
・教育実践部門(主に大学教員、一貫校教諭):
一貫校教諭らによる佐渡沿岸の海洋生物の採集とスケッチ、VRinkaiJrを活用した野外実習を行い、生物の多様性を実感し、分類体系の基本を理解する。現地専門家の指導を受け、慶應義塾の大学生や他の一貫教育校の生徒と関わりながら、学びを深める。中学および高校の学習指導要領に準拠し、VRinkaiJrを通じて生徒が積極的に取り組める実習内容を考案する。中学校学習指導要領 理科では、外部形態の観察から共通点や相違点を見出し、それに基づいて生物が分類できることを見出し理解することが目標となっている。これに基づき種同定の方法や実習内容を検討する。また、「分類」について「分類は,観察及び資料等から見いだした観点や基準を基にして行わせるもの」とし、「目的に応じて多様な分類の仕方があり,分類することの意味に気付かせるような学習活動を設定すること」、進化においては「現存の生物及び化石の比較などを通して,現存の多様な生物は過去の生物が長い時間の経過の中で変化して生じてきたものであることを体のつくりと関連付けて理解すること」とあり、これらの内容に留意した実習内容を講義と実習によって実現し高い教育効果をねらう。
・開発部門(主に大学教員・大学院生・ポスドク):
生物多様性を理解するオンライン教材VRinkaiJrを開発し、慶應発のユニークなSDGs活動として広める。大学での学びや得意なことを学生は専門スキルとして活かす場としてVRinakaiJr開発を提供する。例えば、実際に生徒らとともに野外実習を行い、登録動物種の追加やWEBデザインの改良(例えば生物群にキャラクター性をもたせることにより楽しみながら学ぶコンテンツを充実させる)、データ比較機能の追加、採集場所の地図データ登録や集計グラフ表示機能実装などを行う。さらに、教育実践部門からのフィードバックを基に教材を改善する。また、SNSなどの広報活動を行うことや、生物教育学会に論文を投稿する等の活動も行い本活動を世界へ発信する。