2022年度公募プログラム
[文学部]
台湾の大学生と共に学ぶ植民地教育史:戦前・戦後地歴教育の変遷
活動代表者
文学部准教授 前田廉孝
複雑化と緊密化が併進する東アジアで近隣諸国・地域と共生を図る際に旧植民地領有国の日本に求められる歴史認識を,日台の大学生,さらには一貫教育校の高校生も交えながら,共同で模索します。

【1)国立台北大学人文学院歴史学系台湾・日本近代史ゼミとの交流(使用言語:英語)】
2022年9月に国立台北大学で台湾近代史を専攻する蔡龍保ゼミと「戦前・戦後日本における地歴教育の変遷と植民地統治」をテーマにインゼミ形式の交流を4日間実施する。2020年度オンライン開催のインゼミでは,日清戦後~現在の旧制中学・新制高校地歴教科書の内容を検討した。その検討結果を踏まえつつ,2022年度は「社会教育」にまで対象を拡張し,日台に現存する歴史的建造物の保存と利用について考察を深める。
【2)上記1)の実施に向けた事前準備(プレゼンテーション・ディスカッション練習)(使用言語:英語)】
1)で示したプレゼンテーションに向けた準備作業を2021年12月から開始する。準備段階から塾生に具体的な作業計画の立案を任せ,主体的な取組を促す。そして,準備作業より得られた知見は毎月2回実施するセミナーで報告され,申請者(前田)を含めた議論が交わされる。なお,上記の準備作業も全て英語で実施する。
【3)台北市内の日本統治期建造物を見学する巡検】
1)実施時には,巡検として台湾総督府庁舎(現・総統府),日本勧業銀行台北支店(現・台湾博物館土銀展示館)など日本統治期建築の建造物を見学する。また,台湾三田会との交流で台湾の現状を塾生が理解する機会も設ける。
【4)シンポジウム(成果報告会)の開催と研究者・高校生との意見交換(使用言語:日本語)】
2022年11月には,1)~3)で得られた成果を報告する場としてシンポジウムを三田キャンパスで開催する。シンポジウムには日本植民地史及び近代朝鮮史の研究者(山本裕准教授(獨協大学)・金明洙副教授(韓国・啓明大学校))を討論者として招聘し,一貫教育校在籍の高校生も交えながら,幅広い議論を展開したい。