2024年度公募プログラム
[殿町先端研究教育連携スクエア]
殿町&鶴岡 多世代共創サマーキャンプ:キャンパスと世代を超える先導者育成研究プログラム
活動代表者
システムデザイン・マネジメント研究科教授/殿町先端研究教育連携スクエア兼担教員 神武直彦
地域・世代を超えて、小学生から大学院生までの多様な参加者が、「システム思考」と「デザイン思考」という考え方に基づき、新たな気づきを得て主体的に考える力を養います。地域が持つ潜在力に触れ、創造力を掻き立て、科学技術の面白さを感じ取り、ワクワクするアイディアを生み出し形にできる先導者を育むことを目指します。

第1日目には世界最先端のバイオテクノロジー研究が行われている鶴岡サイエンスパークを訪問した。先端生命科学研究所IABでは分析機器や次世代シーケンサー等、最先端機器などを見学し、IABの研究と地域の関わりにも触れた。鶴岡で生まれた日本を代表する科学技術系ベンチャー企業であるSpiber株式会社では、同社が持つ独自の科学技術に触れ、自然への深い観察と研究を経て、同社の画期的な商品開発に触れた。また試作工場エリアでは実際に繊維を作るためにどれほどの大きな装置を使っているのかなど規模感を感じ、同社が新たに開発したブリュード・プロテインを直接見て触れることができた。鶴岡で生まれ殿町にも研究所を持つ株式会社メタジェンでは、腸内環境に向き合い次世代のヘルスケアを切り拓くための研究開発についてお話を伺った。トイレに捨てている便から価値を創造し病気ゼロの実現を目指すため、社会に寄り添い社会と共に未開の健康社会を切り拓くために自らが研究と社会をつなぐ雰囲気を感じ取ることができた。株式会社SHONAIが運営する児童教育施設KIDS DOME SORAIでは、地方都市の課題解決型事業に取り組み、地方の可能性を経済へと繋ぎ、また次世代の教育事業にも力を注いでいる様子を見学した。
第2日目には、庄内藩校致道館を訪問し地域の歴史と教えを学び先人のたゆまぬ努力により培われた知恵や工夫が、鶴岡の教育的風土を形づくるとともに、時代を超えて今日の鶴岡発の産業に繋がっていることを学んだ。午後は湯野浜海岸でのフィールドワークを経て殿町×鶴岡合同ワークショップを行った。KEIO WIZARD受講生各々が進めている研究の中間発表を行うと共に、SFC大学院生、鶴岡で特別研究助手を行う地元の高校生らも参加し、世代、分野、地域を超えて、互いに教え合い、学び合い、新たな気づきを得、地域の持つ強みや課題を体感し理解を深めることができた。
第3日目には、KEIO WIZARD×鳥海塾交流ワークショップを開催した。東北公益分科大学からはジュニアドクター鳥海塾で学ぶ小中学生、ご父兄、同校の武田真理子・東北公益分科大学大学院公益研究科長、広瀬雄二・公益学部公益学科教授ほか教職員らが参加した。交流ワークショップでは、「10年後、どうすれば、Keio Wizard×鳥海塾のコラボレーションチームで、世界一の研究成果を出せるだろうか?」というテーマで話し合い未来新聞を制作し発表した。鶴岡が育んできた豊かな食文化と美しい自然環境、鶴岡の歴史に触れながら、両校のジュニアドクター達は地域を超えた交流を通じて、多様な価値観に触れ、他者理解と自己理解を深めることができた。本合同ワークショップの開催は以下のメディアにも掲載された。
庄内日報(8月27日、1面に掲載)、山形新聞(8月28日、12面に掲載)
KEIO WIZARD“GLOCAL”
https://www.tonomachi-wb.jp/juniordoctor/