2022年度公募プログラム
[湘南藤沢中等部・高等部]
沖縄の離島「伊江島」における社会起業体験プログラム
活動代表者
湘南藤沢中等部・高等部教諭 杉山諭
地域が抱える社会的課題を解決に導く社会起業体験ワークショップを沖縄の離島「伊江島」で実施します。高校生ならではの発想を活かした地域を活性化するためのビジネスプラン作成に取り組みます。

3月7日から3月10日までの4日間、沖縄県の離島「伊江島」を18名(高等部4年9名、5年3名、6年4名、引率教員2名)で訪れ、「島に愛着を持ち、伊江島を繰り返し訪れてくれるようなファンを増やすアイデアを考える」というテーマに沿ってビジネスを考え、その成果を島民へ発表する社会起業体験ワークショップに取り組んだ。4日間の具体的な活動内容は、以下の通りである。
第1日:羽田空港から那覇空港、本部港を経由して伊江島へ移動。伊江島到着後、16名の参加者を4チームに分け、行政関係者や民泊家庭を始めとする島民へヒアリングを行い、「豊かな観光資源はあるが、日帰り観光が中心であるため、観光客による島への経済的な効果が限定的である」という課題を把握。その後、社会人メンターからのサポートや「島の発展と島人の幸福に寄与するビジネスでなければならない」というアドバイスを受けながら、チーム毎にアイデアを出し合い検討作業を開始。
第2日:車で島内を一周視察した後、各チームのメンバーが、島の業界団体(観光協会、農業組合、漁業組合、教育委員会)を個別訪問してヒアリングを行い、島が抱える諸問題の現状把握に努め、収集した情報をチーム内で整理。島民や各業界が抱える課題やニーズを明らかにし、ビジネスプランの絞り込みを行った。その後、島の実業家に向けて各チームが中間報告を行い、講評やコメントを受けながらプランのブラッシュアップを行った。
第3日:ワークショップの集大成となるプレゼンテーションに向けて準備を進め、夕方から多くの島民を前に、各チーム15分以内でビジネスプランを発表。「民泊と島の特産品である葉たばこの農業体験を通じた島の人々の文化や生活に触れるプラン」を始め、高校生ならではのオリジナリティ溢れるアイデアに対し、審査員を務めた島民から総評と共に温かい言葉をかけられた。
第4日:伊江島での3日間の活動内容について振り返りを行い、島民から「いってらっしゃい」と見送られながら島を離れ、那覇空港へ移動し帰路に着いた。
本プログラムを通して、参加した生徒達が、「島が抱える課題を解決するには、島の歴史・現状・既存の取り組みに加え、島人の生活・文化・想い」に対する深い理解が重要であることに気づいたことが、最大の成果であった。また、4日間を通じて学年の垣根を越えてグループワークを実施したことにより、他者の個性を理解する力、他者に働きかける力、互いの意見を尊重しあい、協力しながら取り組むというチームワークの重要性を学ぶ良い機会となった。