2016年度公募プログラム
[横浜初等部]
児童の感性を育てる -日本の伝統芸能「能」と「常磐津」の舞台制作を通して-
活動代表者
横浜初等部教諭 井谷佳代
本プログラムは初等部生を対象に、日本の代表的伝統芸能「能」「浄瑠璃」を体験し、日本文化への理解を深めることを目的としています。
舞台を鑑賞し、講義を通して知識を得ると共に、日本独自の楽器である三味線、笛、小鼓、大鼓、太鼓などに触れ、日本古来の発声法や礼儀・作法なども、実践を通して楽しく学んでもらいたいと思います。

第1回 2017年2月23日(木)能と常磐津の歴史についての講義
第2回 2月27日(月)能の概要と鑑賞
第3回 3月2日(木)常磐津の概要と鑑賞
第4回 3月9日(木)所作についての講義と実演(能、常磐津)
第5回 3月13日(月)楽器の理解と演奏体験(2コマ 能、常磐津)
全5回の【導入】のプログラムを通して、能と常磐津についての歴史や所作について、講義・実演を通して知識を得ることができた。また、能の型や常磐津の台詞の言い回し、5種類の楽器(笛、小鼓、大鼓、太鼓、三味線)体験によって、伝統芸能を身近に肌で感じることができた。
第2回、第3回では、能「羽衣」と常磐津「松廻羽衣」を解説付きで鑑賞した。同じ題材を扱った作品を鑑賞したことにより、能と常磐津の特徴や相違点が明確になったことも大変有意義だった。
能の舞台では、簡潔ながらも本格的な大道具を準備し、横浜初等部講堂が能楽堂のような緊張感あふれる静謐な空間となった。色彩豊かな装束に身を包み、能面を付けた演者の、わずかな顔の角度が大きな表情の変化につながることを実感した、すばらしい舞台を鑑賞した。
常磐津の舞台では、日本舞踊に合わせて息の合った浄瑠璃と三味線を聴き、日本特有の間合いや掛け合いを感じ取ることができた。鑑賞前に浄瑠璃と三味線の役割「立語り」「脇語り」「三枚目」「立三味線」「脇三味線」「上調子」についてデモンストレーションを含めて解説を聞き、鑑賞を深める手助けとなった。