2013年度公募プログラム
庄内セミナー
活動代表者
経済学部教授 羽田 功
山形県鶴岡市にある慶應義塾鶴岡タウンキャンパス(TTCK)を拠点として、学生・大学院生・社会人の参加する教養セミナーです。「生命を学ぶ-心と体と頭と」をテーマに、即身仏や山伏体験から生命科学研究の先端まで、「生命」をさまざまな観点から体験・体感し、議論と対話を重ねることで、人間が社会でよりよく生きるための基盤となる「教養力」の涵養をはかります。過去から未来へ、さまざまな知財の宝庫たる庄内・鶴岡で新たな発見に挑戦してください。

本プログラムは授業の開設を目標とした3年計画のプロジェクトであるが、2年目にあたる13年度は以下の活動を行った。
(1) 事前準備:事前説明会・事前課題(「自分について」のレポート提出)。
(2) 合宿セミナー:8月30日から9月2日(3泊4日)。プログラム概要は次の通り。
1.「生命」に関するマインドマップの作成
2.日本人の死生観-即身仏をめぐって:即身仏拝観・住職による解説・講師による講義・対話と議論。
3.修験体験:山伏の指導によるレクチャーと一日修験体験。
4.庄内文化論:さまざまな文化遺産・施設見学・講師による講義(庄内の死生観・藩校と徂徠学・幕末の庄内藩など)・対話と議論。
5.先端生命科学研究所見学:「生命」にまつわる最先端研究の体験・対話と議論。
(3) 事後課題・報告書(レポート集)作成:「生命について」をテーマとする課題レポートの提出と報告書の発行。
(4) 関連企画の実施:日吉図書館、大学生協(日吉)の協力を得て、11月に展示企画「慶應義塾と庄内」(セミナー報告・写真展・先端生命研紹介など)、庄内フェア(物産展・書籍展・庄内ランチ提供)を実施。
セミナーの成果としては以下の5点が挙げられる。
(1) 羽黒修験・即身仏などに見られる伝統的な死生観からTTCKの先端生命科学研究所の活動に見られる先端的な「生命」観に至る広範な「学び」の体験。
(2) 地元との交流による参加者「地方・地域」への眼差しの広がりとそれによる相対的な視点の獲得(自立・自律力の涵養)。
(3) 社会人の参加による世代間交流の体験およびグループワークによるコミュニケーション力の涵養(社交力の育成)。
(4) フィールドワークを通じた体験的な「学び」の重要性の認識。
(5) 対話と議論を通じた言語化と発信能力の向上。